恋愛修行中


「ユーリは本当に、ぼくを愛しているのか!?」


長閑な眞魔国の昼下がり。

急にヴォルフに叫ばれて、おれは盛大に、飲んでた紅茶を吹き出した。

「・・・なっ、い、いきなり何言い出すんだよヴォルフ!」
「いきなりじゃない!ぼくは・・・・・あれからずっと考えているんだぞ!」
「何だよ、それ・・・・この間、あーやって言っただろ?おれ」

ヴォルフに想いを打ち明けたのは、ついこの間のことだった。
お互い真っ赤になって、本当に格好悪い告白だったけれど、
“好き”っていう気持ちに、おれもヴォルフも変わりなくて、とても嬉しかった。

・・・・・・・なのにその発言は・・・・・どういうことですか。

「・・・・この間は“好きだ”としか言ってくれなかったじゃないか!」
「いや・・・・・だから、それは・・・・・・」
「“好き”と“愛してる”は別物なのか!?好きだけど愛していないということかっ!?」
天使に似合わぬ形相で、次々と責めてくるヴォルフに、思わずどもってしまう。
彼は相当ご立腹のようで、吊り上げられた眉間のシワがグウェン並みだ。
「・・・じっ、じゃあ!そういうお前はどうなんだよ?ってか、どーしてそう思うわけ?」
ケンカに持ち込む気なんてとんとないけれど、このままだとヴォルフが収まりそうにない。
おれは仕方なく、彼の話を聞くことにした。
「・・・・・・だって、いつも・・・・いつもユーリは、ぼくの目を見て話をしようとしないじゃないか」
「・・・・・・・は?」
「お前はいつもそうだ!ぼくから目を逸らして、こちらを見ようとしないだろうっ」
「・・・うっ」

――――バレてる。

「この間ああやって言っておいて、もうぼくのことを嫌いになったのか!?」
「い、いや、そんな訳・・・・・」
「だったら何でそうやってすぐに目を逸らすんだ!」
「うぅっ・・・・」

・・・・普通は、それくらい察して頂けると思いますが。

「・・・・っあ――、もう!こんなことくらい分かれよこの天然ッ!」
本当に、こいつはどれだけ箱入りなら気が済むんだろうか。
「天然だとっ!?それはどういう意味・・・・・・っん!?」

すぐさま反論しそうな唇を、キスで塞いでしまう。

離れる頃には、おれもヴォルフも、真っ赤っかだ。


「・・・・・・・・・好き、ヴォルフ。・・・・・・・・あ、愛してるよ」


「・・・・ゆっ、ユーリ・・・・・・・・・」



―――ついにおれは、このわがままプーのポメラニアンな恋人に負けた。



・・・・言ってしまってから、ますます頬に熱が集中するのを感じて、おれは



「・・・っだからっ、こーゆーことすんのも、言うのも、ヴォルフだけなんだってばッ!」



そう叫んで、とりあえず、全速力で部屋を飛び出した。




「・・・・・・・へなちょこめ・・・・・っ」






おれたちは、まだまだ恋愛修行中。





―――――その後、腰を抜かしたヴォルフがしばらく立てなくなってしまったことは、言うまでもない。





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