pm26:00の夢


・・・・・・眠れない。


おれは広すぎるベッドの上で、何回目か分からない寝返りを打った。人一人分ほど隔てた反対側では、ヴォルフラムがこちらには背を向けて眠っている。
ちぇ、どうしてこいつは寝ちゃってるんだよ。昼間、執務室で気持ち良さそうにうたた寝してたくせに。



寝る前に、紅茶を飲んだのがいけなかったのだろうか。いつか、紅茶にはコーヒーと等しいくらいの量のカフェインが含まれている、なんていう話を聞いたことを思い出す。
しまった。一杯くらいならいーか、なんて安直に考えたのがいけなかった。
・・・だけど、眠れないものは仕方ない。ぎゅ、っと目を瞑って羊でも数えようかななんて思ったその時、



「・・・・ユーリ、起きているか?」


隣で眠っているはずのヴォルフラムから、呟くような声が聞こえてきた。
ヴォルフはもぞもぞと布団ごとこちらに体を向けて、そっとおれを覗き見る。
「えっ・・・う、うん。あ、もしかして起こしちゃった?」
「いや・・・ずっと起きていた。その・・・・昼間眠ってしまったからなかなか寝付けなくて」
なんだ、起きてたのか。ああそういえば、「ぐぐぴ」いびきが聞こえてなかったな。
「やっぱり。おれあの時起こしてやったのに、お前二度寝すっから・・・」
「今日は眠かったんだ!お前が朝無理矢理起こしたのがいけないんだ」
「だってあれは・・・・・・・って、」
・・・・いけないいけない。こんな真夜中に騒がしくしてたら、皆が起きてしまうかもしれない。
おれは怒ったように頬を膨らませたヴォルフラムの方に向き直ると、乱れた二人分の布団を掛け直す。


「ねぇ、こういう時、どうしたら眠れるか、知ってる?」
「・・・・どうするんだ?」
ヴォルフラムが、すっかり覚めている翠の瞳をこちらに向けた。暗闇の中でも、それだけは輝いて見える。
「こうすんの」
そっと、ヴォルフの手を取った。そして、握る。
「・・・ユーリ」
「早く寝ろよ、おやすみ」

本当は、こっそり毎晩、していること。
こうするだけで、ぐっすり眠れるから不思議だ。


「・・・・・・おやすみ」











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